2020年3月24日

お正月は梅酒をお屠蘇に。作り方&おすすめの祝い酒

お正月は梅酒をお屠蘇に。作り方&おすすめの祝い酒

元旦の朝に飲むお酒「お屠蘇(おとそ)」。私はずっと、その中身はただの日本酒だと思っていたのですが、厳密には一種の薬草酒ということなのです。

今回は、お屠蘇を梅酒にしてみたら…というお話です。

お正月に飲む「お屠蘇(おとそ)」って?

新年が明け、まず最初に口にする祝い酒「お屠蘇(おとそ)」。
お正月に、おめでたい感じの酒器に入れて飲む日本酒というイメージで、はっきりどういったものなのか知らない人も多いかと思います。お屠蘇という漢字も、あまり見慣れないものですが、屠蘇の「屠」は「切り離す」「邪気を払う」といった意味を、「蘇」は「病や災いをもたらす悪鬼」「心身を蘇らせる」といった意味を持つとのこと。

つまり屠蘇とは、邪気を祓い病や災いを切り離して心身を新たにするといった意味のものなのです。元旦に家族みんなで、その年の無病息災や長寿を願いながら飲む、新年初めの縁起物のお酒ということなのですね。

お屠蘇の歴史

お屠蘇は、もともとは4世紀ごろからあった中国の風習とのこと。大みそかの夜に、屠蘇散というものを袋に入れて井戸にぶらさげておき、元旦に吊り上げてお酒に浸して飲まれていたそうです。

日本には奈良時代から平安時代にかけて伝わり、宮中のお正月行事のひとつとして取り入れられていたといわれます。それが、江戸時代ごろから次第に一般市民にも広がり、現在も関西を中心としたお正月の文化として残っているのですね。

お屠蘇の中身は?

現在はお屠蘇を日本酒で代用する家庭が多いようですが、厳密には山椒や陳皮、桂皮などといった漢方薬に使われる生薬を何種類か調合した「屠蘇散(屠蘇延命散)」を、清酒と本みりんをブレンドしたものに、一晩ほど浸け込んで作られます。

屠蘇散は、現在では調合されたものがティーバッグ型で販売されており、年末になると薬局やドラッグストアでよく見かけるようになります(漢方成分が少なく薬効が実感できるほどのものではないため、処方箋がなくても購入できます)。大みそかの夜にお酒に浸しておいて元日の朝に取り出す…を手軽な方法で作れます。

通常は、清酒と本みりんを同じくらいずつ器に注ぎ入れ、そこに屠蘇散を6~7時間程度浸しておくだけ。元旦のお雑煮やおせち料理などを食べる前にいただきます。現在では、とくに清酒やみりんにこだわらず、焼酎やワインなどに浸けこむ家庭も多いようです。

「お屠蘇」の作り方-梅酒編-

お正月に梅酒

このように、古くから伝わるお屠蘇ですが、これを梅酒で作るとどうなるのでしょうか?
まずは、一般的なお屠蘇の作り方をご紹介しましょう。

一般的なお屠蘇の作り方

一般的なお屠蘇は、清酒と本みりんを合わせて作ります。みりん風調味料ではなく、もち米と米麹と焼酎だけを原料とした、昔ながらの本みりんを使用します。

【材料】
・ティーバッグ入りの屠蘇散…1袋
・清酒と本みりんを合わせたもの…300ml程度

甘さやまろやかさなど、好みに応じて清酒と本みりんをブレンドします。辛口好きなら清酒を多めに、甘口好きならみりんを多めに…など配合しだいで好みの味に調節できます。また、清酒だけで、あるいはみりんだけで作ってもOKです。300ml程度なら6~8時間が目安ですが、量が多ければ浸す時間を長くします。

色が褐色に変わったくらい、薬草の香りや苦みが微かに感じられる程度になれば、飲み頃と考えていいでしょう。あまり長く浸しすぎないように注意しながら味見して、飲みにくければ清酒やみりんを足して調節します。

屠蘇散に入っている生薬は?

市販の屠蘇散に含まれている生薬は、主に、キキョウ・ボウフウ・サンショウ・ニッケイ・ビャクジュツの5種とされています。

・キキョウ(桔梗の根)
・ボウフウ(防風の根)
・サンショウ(山椒の実)
・ニッケイ(肉桂の樹皮・シナモン)
・ビャクジュツ(白朮・オケラまたはオオバオケラの根)

このほか、丁子(クローブ)陳皮(ミカンの皮)などもよく調合されています。たいてい5種から7種ほどの生薬が調合されていることが多いですが、漢方の香りが苦手で飲みづらいと感じる人は、梅酒に合うオリジナルの屠蘇散を作って浸けてみてもいいかもしれません。

梅酒で作るお屠蘇

薬膳梅酒によく使われるのは、クコの実なつめといった甘みのある生薬です。

クコの実は不老長寿の薬ともいわれているので、お屠蘇の概念にもピッタリかもしれません。なつめは冷え性改善や貧血にいい生薬といわれます。クコの実となつめはどちらも甘く、料理などにも一緒に使われることが多いです。梅酒との相性もいいので、市販の屠蘇散だとクセが強すぎるかも…と不安な人はためしてみてくださいね。
また桂皮(シナモン)や陳皮(ミカンの皮)を単独で浸すのもおすすめです。

作り方は一般的なお屠蘇と同様に、好みの生薬を混ぜたものをお茶パックなどに入れて、一晩程度梅酒に浸しておくだけ。余裕があれば数日浸けてもいいかもしれません。梅酒づくりの際に一緒にクコの実を入れた薬膳酒を作っておくのもおすすめです。

梅酒時間スタンプ(わぁ)

お正月におすすめのお祝い用梅酒5本

自分でお屠蘇をつくるのもいいですが、もっと手軽に楽しみたい人は、お正月にふさわしい、ちょっと贅沢な市販の梅酒もためしてみては?金箔入りのものなら、華やかで新年のお祝い酒にぴったりです。おすすめのお祝い用梅酒をご紹介しましょう。

1990年古酒仕込み梅酒 金箔入

江戸時代創業の「沢の鶴株式会社」による、贈答にもおすすめの金箔入り祝い酒。和歌山産の南高梅を浸け込み、長期熟成された日本酒ベースの梅酒です。

糖類ひかえめなので日本酒ならではの甘みが活かされ、加えて古酒ならではの深みとうまみで、梅の酸味がほどよく引き立てられた上品な味わいです。

https://www.sawanotsuru.co.jp/site/sake_food/umeshu_1990_kinpaku/

金箔入り梅酒「HAMADA」

金箔入り梅酒「HAMADA」

紀州田辺の梅の郷・石神にある「株式会社濱田」が、化学肥料・除草剤を使用せず低農薬で育てられた完熟梅を使って作った梅酒。梅の栽培から浸け込みまで、すべての工程が自社で管理されているので、安定した品質が保たれています。

3年以上熟成させた、まろやかな味わいが自慢で、モンドセレクションにおいて2008年から5年連続最高金賞を受賞したという銘酒です。

https://www.ishigamimura.co.jp/goods_list/goods_list_3.php?p=&disp=20&o_no=18035

Gold Edition

チョーヤGold Edition

梅酒のパイオニア「チョーヤ梅酒株式会社」による、ブランデーベースの本格梅酒です。

フランス・コニャック地方のブランデーのみを梅酒に合うようブレンドし、厳選した大粒の和歌山産南高梅を浸け込んでいます。梅の花が舞うようすを表現した金箔が麗しく華やかで、お正月にぴったりのお酒です。

https://www.choya.co.jp/products/umeshu/gold-edition

万上 八年熟成金箔入り梅酒

万上 八年熟成金箔入り梅酒

キッコーマングループの“本みりん”などを中心としたブランド「万上」による、あざやかな琥珀色の祝い酒。

群馬県産の白加賀梅を使用し、じっくり丁寧に熟成させた梅酒は、上品な甘さと、すっきりした酸味が感じられます。きらびやかな金箔が、舞い上がってはゆっくりと沈む贅沢な一品です。

https://www.kikkoman.co.jp/products/product/K700530/index.html

blossom さくら梅酒

blossom さくら梅酒

和歌山県海南市にある中野BC株式会社が、和歌山大学の女子学生とコラボ開発した、新春にふさわしい梅酒。

軽やかな口あたりながらも梅の酸味がしっかりと感じられ、桜から抽出したシロップとの相性も絶妙で、桜の残り香も心地いいと好評を得ています。アルコール度数も10度と低めなので、お酒が弱い人や新成人などにもおすすめ。桜色に金箔が舞う、華やかでおしゃれなお酒です。

https://shop.nakano-group.co.jp/c/umeshu/gd4

まとめ

古くから受け継がれてきたお正月の風習「お屠蘇」。
日本酒や生薬が苦手な人は、来年のお正月から、お屠蘇を梅酒にしてみませんか?自家製梅酒にクコの実やなつめなど甘みのある生薬を浸してみたり、市販の金箔入りなどのちょっと贅沢な梅酒を使ってみたり。新しい年のひと口目に、ぜひ梅酒をためしてみてくださいね。