酒蔵の酒造りの背景から生まれる梅酒
皆さん、「梅酒の種類」がどのくらい存在しているのか、ご存知でしょうか。
日本には、約1000ほど酒蔵があるといわれています。
ただ、多くの各酒造に日本酒作りで一番量が多いのは冬の季節で、秋に酒米の収穫を終え、冬の寒い季節に日本酒を作り終えると、一旦酒造りは落ち着きます。
しかしそれだけではもったいないと、6月に収穫される梅の実や、それぞれの季節の果実の収穫に合わせて梅酒・リキュールを作る蔵が数多くあります。
ひとつ参考になる数値として、2019年に開催された「天満天神梅酒大会」では、日本で造られた梅酒とリキュールが295種、所狭しと並びました。
それぞれの酒蔵が作る梅酒造りの違い=種類
梅を漬けるベースとなるお酒の種類でいうと、「ホワイトリカー」は定番でよく耳にするかと思います。
ただ、酒蔵が作る梅酒のベースは、それぞれの蔵が持っているお酒がメインになってきます。
- 焼酎
- 日本酒
- ブランデー
- ホワイトリカー
- ワイン
大まかな種類だけでもこれだけの違いが生まれます。
さらに日本酒ベースの場合、それぞれの酒蔵さんに個性があるので日本酒そのものの味や、芋か米ベースなのかでも味わいが異なり、酒蔵の酒質によっても味に広がりが出てきます。
梅や砂糖の違いだけではない、表現の違い
主役ともいえる梅の種類も、南高梅や鴬宿梅などが有名どころですが、他にも品種はたくさんありますし、それぞれの地域で実った梅や果実を使うことで、またひとつ味わいの広がりを見せてくれます。
梅の種類、というところだけでなく果肉の残し方でさえ、その個性に大きく影響する要素だったりします。
- サラッとタイプで見た目もクリアなもの。
- 濃厚な荒ごし系で濁っているもの。
例えばこの梅酒。
山形正宗の梅酒は、
「山形正宗 梅酒」
「山形正宗 とろとろ梅酒」
と言ったように同じ酒蔵のシリーズの中でも、“サラッとタイプ”と、“ドロッとタイプ”のラインナップを作り、その味の幅を楽しむことができます。
ちなみに右端は熟成タイプで、寝かした年月による違いもあったりします。
少し変わり種だと、「柑橘系の果物×梅」や「メロン×梅」「ヨーグルト×梅」などなど、梅とそれ以外の食べ物がブレンドされているものもあるんですよ。
少し組み合わせにびっくりするかもしれませんが、これが良く馴染んでいて美味しんです。
それもそのはず、お酒のスペシャリストである酒蔵が、そのお酒にあった地元の果実や食材を選んでいるので外れなしなというわけです。
何気なく見ているそのひとつの梅酒は、酒蔵の思いやこだわりを全て集約することで完成しているのです。
まとめ
大げさかもしれないが、梅酒の種類は酒蔵が組み合わす数だけある。
これからも増えていく、となるとまさに無限なのです。
実際、それだけに購入するとなると迷うことも多いですが、比例して選ぶ面白さもたくさんあるのも事実です。
まるで各酒蔵を旅をするように自分好みの一本を見つけることが、梅酒を楽しむ方法の一つなのかもしれません。
ちなみに私が今好きなのは、日本酒で漬けたタイプの梅酒。
飲んだ後、ふわっと日本酒の風味が広がるのがなんとも美味しいです。
もちろん、これから新たな発見のための楽しい旅をまだまだ続けたいと思っています。