2021年3月3日

梅酒によく使われる、梅の種類まとめ

梅酒によく使われる、梅の種類まとめ

梅酒にはどんな種類の梅が使われているのか、知っていますか?
今回は、梅酒に使われる梅の実の特徴やおいしい梅の実の見分け方を詳しくご紹介します。

梅酒って何からできているの?

梅酒はスーパーやコンビニなどでも手に入りやすく、安いものは1,000円以内で買えるものも多いことから「初めてのお酒にぴったり!」と言われることが多いです。
ですが、そもそも梅酒って何からできているのかみなさんご存じでしょうか?

もちろん「梅」の「お酒」なので「梅」と「お酒」からできているのですが、どんな梅からできているのか。
どんなお酒からできているのかを知ることで、奥深ーい梅酒の世界をより楽しむことができます!

まずはあらためて梅酒の主な材料についておさらいしておきましょう。

梅の梅酒の三大要素

梅酒は、主に以下の3つの材料でつくられます。

  1. お酒
  2. 梅の実
  3. お砂糖

いたってシンプルな材料ですが、この3つの材料の配合や種類が変わるだけで、香りや味、色に至るまで梅酒の中身はぜんぜん違ったものになります!

一般的な梅酒のつくり方

梅酒は
「梅の実1キロに対して、お砂糖1キロ、ホワイトリカー1.8リットル程度の割合で混合して作成」
というつくり方が一般的によく知られています。

お砂糖の種類は、氷砂糖を使うことが多いです。
好みによって上白糖、蜂蜜、黒糖、果糖でもつくれますが、氷砂糖は粉の白砂糖と比べて溶けにくく、浸透圧でゆっくりじっくり梅の実の香りやエキスがお酒にしみ込み、まろやかでおいしい梅酒ができます。
ほかの果実酒をつくるときも、お砂糖は氷砂糖を使うのがベターだと言われています。

お酒はホワイトリカーがよく使われています。
ホワイトリカーとは、焼酎の一種で色や香りがついていないもののことは指します。
梅酒の材料以外にも、果実酒(リキュール)やチューハイなどのアルコール飲料の材料として使われています。

こちらも好みによっては、ホワイトリカーではなく香りの強いウイスキーやブランデー、焼酎や泡盛に変更すると、また違った雰囲気の梅酒を味わうことができます。
お酒が好きな方や「梅と一緒にお酒の風味も楽しみたい!」という梅酒上級者さんはぜひ試してみてください。

ただし、自宅で梅酒をつくる場合は酒税法で「アルコール分20度以上、かつ酒税が課税済みの酒を使用すること」とベースのお酒の度数が決められていますので、20度より低い度数のお酒(ワインや日本酒など)ではつくらないようにしましょう。

梅本来の味を楽しみたい方や初心者の方であれば、まずはホワイトリカーから試してみることをオススメします!

梅酒にぴったり!な梅の種類は?

梅酒グラス

梅酒のメインはやっぱり梅の実!

そして、梅酒づくりで特に重要なのが、メインとなる梅の実の種類です。
梅の実もお砂糖やお酒とおなじように、たくさんの種類があります。
梅酒上級者さんの中には「梅の実は絶対こだわるべき!」という方もいるのではないでしょうか。

現在日本にある梅の種類は300種以上と言われています。
そのため、市販の梅酒であっても梅酒ごとに梅の品種や産地も違います。

梅の実の中には梅酒に向いている品種や、梅酒には向いていないけど梅干しや梅ジャムなどには向いている品種など、梅の大きさや熟度でもこまかく分けられます。

それでは、よく使われる梅の種類を産地とともに見てみましょう。

南高梅(なんこううめ)

おもな産地:和歌山県・鹿児島県など

まずは梅酒の梅といったらこれ!日本随一の梅の高級ブランド・南高梅。
市販品でも「紀州南高梅100%使用」と書かれた梅酒を見かける機会が多いのではないでしょうか。
南高梅は皮が薄くて種が小さく、果肉がやわらかいのが特徴で、2006年には和歌山県の地域ブランドとして認定されました。
ちなみに読み方は「なんこうばい」ではなく「なんこううめ」が正しい読み方です。

鴬宿(おうしゅく)

おもな産地:奈良県など

鴬宿は、昔から日本にある梅の種類(青梅)で、平安時代に詠まれた和歌からその名前がつけられました。
「鴬(うぐいす)」という漢字のとおり青々とした実と硬い果肉、すっぱさの強いさわやかな味わいのエキスがつまった梅です。
なお、梅酒以外にもその食感からカリカリ漬けにされることもあるようです。

古城(ごじろ)

おもな産地:和歌山県など

別名「青いダイヤ」ともよばれている古城は、梅酒用に適した青梅のひとつです。
南高梅などほかの品種より実が硬くしっかりしているため、エキスも多く出るうえに漬けているあいだも梅の実が崩れることがありません。
ただ栽培が大変難しく、現在ではめずらしい梅の品種となっています。

白加賀(しらかが/しろかが)

おもな産地:茨城県・群馬県・奈良県など

江戸時代から栽培されている白加賀は、おもに群馬県を中心に関東地方などで広く育てられている、日本で最も生産量の多い梅です。
実のつぶは大きいですが種が小さくて果肉が厚く、梅酒のほかに梅干し用にも育てられています。

豊後(ぶんご)

おもな産地:青森県・長野県など

梅の産地といえば紀州(和歌山県)など西の方を思い浮かべることが多いと思いますが、実は北の方でもつくられているんです。
そんな東北地方に多い品種がこの豊後。
豊後はすずしい気候でも育つ青梅で、淡い黄緑色のしっかりとした大つぶの果実が特徴です。
国内で一番遅い時期まで入手できる梅の実でもあります。

スタンプ(なるほど)

上級者向け!おいしい梅の選び方

梅の実

ここからは「自分で梅酒をつくりたい!」あるいは「市販の梅酒でも梅の実にこだわりたい!」という梅酒上級者さん向けに、おいしい梅の実の選び方のコツを簡単にご紹介します。

どんな梅を選べばいいのかわからない…という方は、ぜひ参考にしてみてください。

青梅?完熟梅?どっちがオススメ?

梅は収穫した時期によって熟度が異なり、見た目はもちろん味や香りにも大きく違いが出ます。
青梅はまだ完全に熟す前のみずみずしい緑色が特徴的で、梅本来のすっぱさが際立ちます。
一方完熟梅は、甘くまろやかな口当たりで、酸味はそれほど感じません。
一般的には青梅を梅酒に、完熟梅を梅ジュースや梅シロップにすることが多いです。

ですが最近では「完熟梅100%」という梅酒も多くつくられています。
完熟梅酒は甘くてまろみがあり、すっぱさも少ないので飲みやすい梅酒として女性を中心に人気が高く定番化しつつあります。
甘い梅酒をつくりたい場合は完熟梅、すっぱい梅酒をつくりたい場合は青梅でつくると好みの味にできあがりますよ!

ただ、完熟梅は果肉がやわらかい分非常にデリケートなので扱いが非常に難しいため、初めて梅酒をつくる場合は青梅からはじめてみましょう!

どのくらいの大きさの梅がいいの?

梅酒に適した梅の実の大きさはいろいろありますが、できるだけ大きい梅(だいたい4.1cm~4.5cm未満)の実を選ぶのがオススメです。
つぶが大きければ大きいほど果肉と果汁もたっぷりありますので、その分梅のエキスもたくさん出てきます。

つぶが小さい梅でも、配合を変えるなど工夫次第でおいしくつくれますが、あまり小さすぎるものを選ぶと未熟果の可能性がありますので、注意しましょう。

これが決め手!おいしい梅の特徴

梅酒用にかぎらず、梅の実を選ぶときには基本的にツヤがあってみずみずしく、ハリのある新鮮なものを選びましょう。
逆に果皮にシワができているような未熟果や、黒い部分が多いもの、キズやあるような梅は避けるようにしてください。

特に未熟果にはアミグダリンと呼ばれる物質が含まれており、多量に摂取すると中毒症状を起こす危険性があります。
キズや黒い斑点があるような梅の実は未熟果ほどからだに悪影響はありませんが、せっかくつくった梅酒の見栄えが悪くなってしまうので、オススメはしません。

まとめ

一口に「梅酒用の梅の実」と言っても、日本にはたくさんの梅の種類があります。
どこの産地の、どの品種にするかによって、梅酒の核になる梅の風味(甘みや酸味)や香りも大きく変わります。

どのブランドもそれぞれに特徴とよさがあるので、梅酒を買う際はぜひ梅の実の産地や品種にもこだわってみてください。