気候と食文化で見える、お酒の味の人気傾向
日本は一年を通して四季があり気温も大きく変化しますが、世界の気候は一年中暑かったり、日照時間が少なかったり、湿度が多く天気がすぐに変わったり、と状況は様々。
その様々な条件の分だけ、お酒との組み合わせは無限大。
なぜなら、お酒との関わりは飲む人が過ごす環境や食生活に大きく左右されるからです。
今回は、親日家である「台湾」からお酒の好みの傾向をまとめてみました。
台湾の気候、環境、食文化に触れながら、梅酒、リキュール人気味わいとその秘密にせまっていきます。
コロナで海外に行けない人も、ちょっぴり旅行している気分で読んでみたら楽しくなるかも。。
それではいってみましょう!
日本でも人気な観光地、台湾のことを改めて
日本でも人気な観光地である台湾なので、皆さんご存知かもしれませんが…今一度台湾で人気のお酒を知るならば、まずは台湾のことを知りましょう!
台湾は日本の九州と同じくらいで、人口は約2300万人。日本列島の沖縄と近い位置ある台湾の気候は、ご想像通り亜熱帯〜熱帯に属します。
基本的に年中暑い気候ですが、盆地のため特に夏は蒸し暑くまた冬には雨が多くなります。とは言うものの、大陸からの寒気で強風が吹くので、1月〜2月にはコートなどの防寒着が必要です。
そんな台湾で雪が降ることは滅多にないのですが、なんと2020年には今年の1月頃には雪が降り、雪を見るために渋滞するなど、貴重な気候もあったとか。。
台湾で毎年開催される梅酒イベントがある!
実は台湾には、小器(シャウチーが運営) する「梅酒屋」があります。
(元々は日本の食器や雑貨を販売するお店なのですが、今は梅酒やリキュールも取り扱っています。)
その小器が主催する梅酒大会は、日本で行われる天満天神梅酒大会の海外版なんだとか!
筆者も実は行かせてもらったことがあります。素敵なイベントでした。
イベントに参加させていただいた時には、スタッフが日本語ペラペラ…。
海外にいる気分は全くありませんでした。(いい意味で)
どの方に聞いても日本が好きで「年に2、3回は行くんです!」とおっしゃる人も。
そりゃ、それだけ愛があれば、日本語もペラペラなわけだ。。
この2014年に設立された小器梅酒屋は、センスの良い写真でのSNS更新やこのイベントの定期開催もあって今や多くのファンがついています。(Facebookフォローワー:約28,000人、インスタフォロワー:約3,000人)小器梅酒屋から台湾での梅酒とリキュールの世界が広まったといっても過言ではありません。
2020年は、コロナウィルスのこともありながらも、台湾政府による徹底した管理で、イベントは無事に開催され、この年も大反響だったそうです。
また行きたいなー。。
今、台湾で人気のテイストは?
そんな梅酒が広まっている台湾でも、今人気の味わいってどんなのだろう?
実際に小器梅酒屋に聞いてみました!
①ボトルデザインと、梅の実入りが人気。「プラムトニック梅申」1500ml【西山酒造場/兵庫県】
人気の理由としては
・梅の実がたくさん入っていてパッケージがいい
・化粧箱付きギフトになる
・アンフォラと呼ばれるガラス容器と中にたくさんの梅が入ってる
見栄えがよく、梅の実がたくさん入っていて可愛すぎない大人っぽさが
台湾人の心をくすぐっているようです。
量も梅の量に対して多すぎず、値段も安すぎずで人気なんだとか。
なるほどなるほど。
②紅茶と梅酒の大人ティータイム。ちえびじん 紅茶梅酒 720ml 【中野酒造/大分県】
お次は紅茶と梅酒の組み合わせで生まれた少し特殊な梅酒。
こちらは今年人気のお酒だそうで、紅茶時間に楽しむ大人の梅酒というテーマで商品化されたもの。
今人気な理由として、実は小器梅酒屋も正確にはわかっていないんだとか。。
ただ外食産業が盛んな台湾は、時間帯によって別れた展開も多くあり、時間に合わせるタイプのお酒が好まれる傾向があるのかもしれません。
③食卓の新定番、塩シリーズ
食卓の新定番になるようにと商品化した「塩ゆず」「塩うめ」も人気。
旨味を引き出すにがり系梅酒と、柚子特有の酸味と相まってなんとも言えない旨味のゆず酒は、食事との相性は言うまでもありません。
それぞれの銘柄が人気の秘密は…?
一概に人気の理由は定められはしませんが、今人気の理由はこのコロナ下という状況も大きく関わっているようです。
「日本へ旅行できない…」からの、
→現地でお酒購入できない
→海外インターネットショッピング通じて購入
→運賃高い+通関面倒諦める
→台湾で日本酒や日本の果実酒購入する
という流れもあるんだとか。
親日の台湾ならではの理由ですよね。
また台湾での飲酒率は高くないので、お酒単体で楽しむというより食事や時間で楽しむという文化も含めると、これらの商品が人気になったことの答えになるのかもしれません。
まとめ
梅酒といっても、ベースとなるお酒によって風味や飲み方はさまざま。定番はホワイトリカーベースですが、焼酎やブランデー、テキーラなどの洋酒でも、それぞれの風味が活かされた深い味わいが楽しめます。
台湾でなくても、日本の中でも環境が違えば食文化も微妙に異なります。地元に根付く「地酒」の世界では、その食生活に合わせた味わいに合わせたお酒を作るのは自然な流れです。
日本なら、出汁が昆布やかつお、煮干しなどでとったスッキリと柔らかな味わいであるならば、すっきりとした日本酒が地元のお酒の味になりますし、梅は、旨味に加えてクリアな飲み口をあわせ持つ味わいになります。
その土地に根付いた文化や食生活があって、それに合わせた梅酒やリキュール達がその土地に暮らす人々にとって一番のペアリング。
今回は台湾のことをご紹介しました。
国の数だけ人気な味の傾向が違うんだと思うと、まだまだ他の国から見た梅酒の世界を知りたくなったのでした。
この記事を書いた人:高田 詩織
酒屋でお酒に日々ふれるアラサー女子。お酒の魅力や奥深さを日々感じています。目指すネタは「梅酒の概念を変えるもの」。知ってたことも知らなかったことのように感じていただけたらと思います!