「ひと目千本」と詠まれた桜の名所・奈良の吉野で、古くから酒造りを続けている北岡本店です。
商標と代表的な銘酒の名前は「やたがらす」。
やたがらす(八咫烏)は、吉野の山中で道に迷った神武天皇の道案内役となった、神話に登場する瑞鳥です。
万葉の世から、自然と歴史と文化に満ちあふれた吉野で、酒造りをはじめて150年。
近年は、清酒だけでなく、さまざまな味わいの「リキュール」の開発も積極的に行っています。
今回は、極上の素材を掛け合わせて完成した『とろっといちご』ができあがるまでの物語をお届けします。
目次
酪農といえば北海道!本場の「牛乳」を使ったリキュールを
極上の素材で、極上のリキュールを造る。
これこそが、北岡本店のリキュール造りの“ぶれないコンセプト”です。
私たちは以前から、リキュールの原料として、メロン・かぼちゃ・りんご・ハスカップなどの果物を北海道から仕入れていました。
なので、北海道の果物がおいしいことは当然知っていました。
しかしある時、大事な素材を忘れていることに気づいたんです。
そう。酪農が盛んな北海道です。
「牛乳を使ったリキュール造りの道」という案をすっかり忘れていました。
その後、現地の果物農家さんを訪れた際、「一度、北海道の牛乳でリキュールができないか」と相談してみました。
ストレスフリーで健康な牛たちの「牛乳」は、極上すぎた
農家さんから紹介していただいた牧家牧場さんがある場所は、北海道南西部・伊達市の内浦湾を望む丘陵地帯。
80ヘクタールの広さがある牧草地で、放牧を基本に乳牛を飼育していました。
飼育員の方曰く、「とにかく大事なのは牛の健康!」とのこと。
潮風を受けて育った、良質な牧草を自由に食べられるように、放牧が基本中の基本です。
また、傾斜のある牧草地なので、登ったり下りたりの運動もばっちり!
栄養たっぷりのごはんと、適度な運動。
この牧場で暮らす牛たちは、うらやましいくらいに健康的で、ストレスフリーな生活を送っていました。
こんな環境で育った牛からとれる生乳が、おいしくないはずがありません!
まさに、極上素材との出会いでした。
極上の生乳から作った「のむヨーグルト」も、もちろん極上
生乳がとびっきりおいしければ、生乳から作られたものも、言わずもがなです。
その中でも、キラリと光る存在だったのが「のむヨーグルト」でした。
いい素材だからこそ、リキュールを造る過程も、とっても簡単。
なにも手を加えずにアルコールを加えるだけで、極上の「ヨーグルトリキュール」のできあがり!
一口飲んだ瞬間、素材の良さをすぐに実感しました。
北海道で最高のヨーグルトに出会った私たち。
地元の奈良に帰ってから、「ヨーグルトに合う果実は…?」と考えたとき、真っ先に思いついたのが「イチゴ」でした。
あまり知られていませんが、奈良は「イチゴ」の名産地
イチゴに目をつけた理由。
それは、ヨーグルトとの相性の良さだけではありません。
実は、奈良県北部の天理市は、イチゴの作付面積が全国9位!
「アスカルビー」「古都華(ことか)」「章姫(あきひめ)」の3種類が、奈良県の育成品種になるなど、イチゴ栽培がさかんな土地柄なんです。
そんな地元愛も相まって、イチゴに目をつけた私たち。
「章姫」を中心に栽培している美彩園さんをご紹介いただける縁も重なり、さっそく農園を訪問しました。
美彩園さんのイチゴの育て方には特徴があり、天敵農法(虫で害虫を駆除)という方法がとられていました。
ムダな農薬は使わず、自然の力を利用して作られた「章姫」は、とっても鮮やかな紅色で、とにかく大粒。
糖度が高く、酸味の少ない味わいが、大人気でした。
あまーいイチゴと、爽やかなヨーグルトを、絶妙ブレンド
牧家牧場さんで暮らす健康な牛の乳から作られた「ヨーグルト」の酸味と、美彩園さんの甘くて大粒な「イチゴ」の組み合わせ。
これは、北岡本店の「極上の素材で、極上のリキュールを造る」というコンセプトにもピッタリです!
こうして、素材はこの2本柱で決定しました。
イチゴを流水で丁寧に洗浄し、ひとつずつ包丁でヘタを落とし、牧家牧場さんが作ったのむヨーグルトと、絶妙なバランスでブレンド。
たったこれだけで、極上リキュール「とろっといちご」のできあがりです!
余談ですが、リキュールを製造する過程で楽しいことがあるんです。
それは、軽トラックいっぱいに積まれて運ばれてきたイチゴを、「試食」と言い訳して、つまみ食いすること。
ここだけの話、このイチゴの味は、ほんとうに絶品です!
思い入れがあるからこそ、見た目にもこだわりたい!
今回のリキュールは、特別思い入れのある商品となりました。
だからこそ、見た目にも一際こだわりたいと思いました。
表現したかったのは、上品な果物の様な雰囲気。
瓶にフルーツキャップをかぶせ、針金のついたタグを付け、ビニール袋に詰めて出荷することにしました。
出荷するまで、すべて手作業ですが、手間はまったく惜しくありません。
私たちだけでなく、酪農家さんとイチゴ農家さんの思いもいっぱい詰まった渾身のリキュールだからこそ、この商品の魅力をたくさんの方に届けたいと思っています!
瓶から“とろっと”注がれる、ピンクのリキュールをお試しあれ
こだわりの詰まった瓶から注がれるのは、とろみのあるピンクのリキュール。
香りをかげば、爽やかなイチゴ。
ひと口飲めば、ヨーグルトのコクと酸味。
そして、それを引き立てるイチゴの甘味。
北岡本店が自信をもってお届けする極上素材のリキュール「とろっといちご」を、ぜひ一度、ご賞味ください!!