2021年11月30日

世界で一番おいしいと信じている梅酒の原点は「祖母の味」【豊永酒造】

世界で一番おいしいと信じている梅酒の原点は「祖母の味」【豊永酒造】

熊本県南部の球磨郡は、ひと山越えれば宮崎県との県境にたどり着く山間に位置しています。
人吉市から「くま川鉄道」に乗り、終点の「湯前駅」を降りて徒歩5分。
500年の歴史を持つ「球磨焼酎」の技術と伝統を受け継ぐ酒どころ一角に、豊永酒造はあります。
地元球磨の自然が育んだ米と水を使っての焼酎造りが中心の焼酎蔵ですが、近年新たに2種類のリキュールづくりも行っています。
今回は、「世界で一番おいしい」と信じてやまない梅酒のエピソードを、豊永酒造・常務の豊永遼がお届けします!

実は、熊本県球磨地方は隠れた梅の産地

自慢のリキュールのひとつが、梅酒です。
実は、隠れた梅の産地でもある球磨地方は、毎年2月になると多くの梅の花が満開となり、中心地の人吉市では「梅祭り」も開催されるほどです。
そのような土地柄にある豊永酒造の梅酒づくりの原点は、祖母の存在です。
私の家にも、大正8年(1919年)の蔵移築時に曽祖父が庭に植えた記念の梅の木があります。
その木に実った梅の実と豊永酒造の米焼酎で、昔から祖母が毎年梅酒を漬けてくれていました。

「ほんのり甘酸っぱい」祖母の梅酒をそのまま再現

祖母が漬けていた梅酒は、健康のことを考え、氷砂糖を控えめにしてくれた「ほんのり甘酸っぱい梅酒」でした。
その味が忘れられず、蔵の造りで再現した梅酒こそ、豊永酒造が自信をもってお届けする現在の梅酒です。
大きなタンクで仕込みますが、レシピは祖母のものをそのまま踏襲しており、ベースとなる本格米焼酎と併せてすべて手造りの梅酒です。
いま流行りの濃厚な甘口梅酒とは正反対の「豊永の梅酒」ですが、祖母の梅酒のように飲み飽きることのない、長く楽しめるこの梅酒が「世界で一番おいしい」と信じています。

7度目の挑戦で仕上がった「スパイスのお酒」

もうひとつのリキュールが、カルダモンを使った新しい銘柄『カルダモン・テイク7』です。
このリキュールの始まりは、お取り引きのある大阪の飲食店「春夏冬」さんの「スパイスカレーに合うリキュールを造ってほしい」というアイデアからでした。
今までまったく取り組んだことのないチャレンジでしたが、様々な種類のスパイスを取り寄せ、弊蔵の本格米焼酎との組み合わせながら、ベストの配合を探しました。
7回にわたる試作の末、ようやく完成したのが、この『カルダモン・テイク7』です。

完成前夜に現れた、幸運のホワイトスネーク(白蛇)

実は、この7回目の完成前夜に、仕込んでいるタンクの近くに白い蛇が現れました。
縁起物の白蛇の登場に、「これは良い予兆なのではないか」と感じていたところ、実際に理想の商品が完成。
このエピソードにあやかり、ラベルには「WHITE SNAKE」の文字とヘビのロゴを入れています。
こうして完成した『カルダモン・テイク7』は、清涼感のある炭酸割りで飲むとおいしいリキュールとして、全国的に大ヒットしています。
今秋には、歌手の矢井田瞳さんとのコラボも実現し、さらなる飛躍を狙っています。

古くからの伝統と、未来を見据えた新たなチャレンジ

2つのリキュール『豊永の梅酒』と『カルダモン・テイク7』は、「伝統の造り」と「新たな試み」というまったく別のアプローチから完成したお酒です。
古くからの伝統をしっかり守りつつも、未来を見据えて新しい造りにチャレンジする。
この精神を忘れることなく、豊永酒造は今日も造りに励んでいます。


Profile
合名会社 豊永酒造

蔵があるのは、焼酎造りが盛んな熊本県球磨地方。
500年続く伝統的手法で仕上げた焼酎だけでなく、梅酒やスパイスを使った焼酎など、これまでにない新しいお酒づくりにも常にチャレンジしている。