2021年3月12日

初めてでも簡単、自家製梅酒作り

初めてでも簡単、自家製梅酒作り

梅酒は初心者でも比較的簡単に作れる果実酒です。
通常は、収穫時期である6月頃に採れたての青梅を使って作りますが、梅自体を冷凍しておけば長期保存できるので、年中作ることができます。

今回は、初めての梅酒作りにぴったりな「自家製梅酒の作り方」をご紹介します。

自家製梅酒作りのための準備

自家製梅酒

「梅酒は好きだけど、手作りしてまでは…」と思っていた私ですが、よく「自分で漬けた梅酒は思いが入っているので美味しい!」耳にするので、今年こそはチャレンジです!
初チャレンジを成功させるための第一段階、まずは予備知識のおさらいをしておきたいと思います。

梅酒作りに最適な時期は?

梅酒の材料である青梅が収穫されるのが6月、この時期に収穫される青梅を使って作るのが一般的です。未熟果でも、熟しすぎていてもNGです。

梅酒はもともと、すぐに傷んでしまう青梅を保存するための生活の知恵として始まったといわれています。常温で保管しておくと数日で熟してしまうので、青梅を入手したらすぐに漬けるか冷凍保存するようにしましょう。

冷凍する際の手順は以下の通りです。
1.傷んだものは取り除き、丁寧に流水で洗いざるにあげて水気を切る
2.清潔なキッチンタオルなどで水気を拭き取り、しばらく乾燥させる
3.梅のくぼみにあるヘタを竹串などで、しっかり取り除く
4.厚手の密閉できる保存袋に入れて冷凍する

梅酒の材料

材料は、青梅えらびから。まずは適した時期に収穫された青梅。表面はつるりとシワや傷なく、ハリがあるもの。できたときにキレイな透き通った琥珀色の梅酒をつくるためにです。大きさは直径4cm前後(2L以上)の大きめのものが、果肉と果汁たっぷりでおすすめです。

次に、氷砂糖。黒糖や蜂蜜も人気ですが、砂糖は避けたいところ。なぜなら、砂糖はすぐに溶け、梅がシワシワになってしまいます。そのうえ、アルコール度数を下がってしまうので避けた方がベターです。
一方、氷砂糖はすぐに溶けにくく、ゆっくりと梅に浸透するので梅酒に最適。初心者なら、まずは氷砂糖でチャレンジしましょう。

3つ目はベースえらびです。アルコール度数が35%以上のホワイトリカー(甲類焼酎)がおすすめ。
果実酒用のお酒として市販されています。普通の焼酎でも梅酒はつくれますが、ホワイトリカーは無味無臭でクセがなく、梅の風味を最大限に活かせるのでベース酒にもってこいです。
アルコール度数が高いので、カビを防ぐという点でも失敗の心配がなく初心者向きでしょう。

◇せっかく自家製梅酒を作るなら梅の実にもこだわってみませんか♪◇
これであなたも梅酒上級者!よく使われる梅の種類まとめ

保存容器は密閉瓶が最適!

次に必要なのが、梅のヘタを取る竹串と梅酒を保存するための密閉できる容器です。それらが揃えば、すぐにでも梅酒作りがスタートできます。容器の大きさは、梅の約4倍から5倍の容量があればOKです。
もし1kgの梅で作るなら、容器は4リットルから5リットルのものになります。

梅酒の熟成期間は多くの場合、1年以上など長期間になります。
プラスチック製の容器は多少の空気を通してしまうので、1年以上などの長期保存なら耐久性もある密閉瓶がおすすめ!
「初めてだし、とりあえず半年くらいで」という場合は、お手軽なプラスチック容器で試してみてもいいかもです。

基本の自家製梅酒のレシピ

自家製梅酒レシピ

材料や用意するものがそろったら、すぐにでも梅酒作りにチャレンジしましょう。作りやすい分量と一般的な作り方は以下の通りです。

材料

・青梅(1kg)
・氷砂糖(500g~800g)
・アルコール度数35%以上のホワイトリカー(1.8リットル)

手順1.保存容器を消毒する

密閉容器を煮沸するか、熱湯を回し入れ全体に行き渡らせて捨てて、消毒します(焼酎などのアルコールでも同様に消毒できます)。
その後、清潔な布巾やペーパータオルなどで水気をしっかりと拭き取ります。瓶を消毒したら、口を下にして完全に乾いてから使用します。

手順2.青梅を流水で洗い水気を切る

青梅をボウルに入れ、流水で、一つひとつ丁寧に手洗いします。キズがあるものや、傷んだものは取り除き、ざるにあげて水気を切ります。
その後、清潔な布巾やペーパータオルなどで水気を丁寧に拭き取るのが重要!さらに日光の当たらない日陰でしばらく表面を乾かします。

アク抜きのために数時間梅を水に浸けておくというレシピも多いですが、収穫時期の青梅ならアク抜きしなくて大丈夫!逆に浸けすぎると梅を傷めてしまうので、よほど硬い梅でない限り洗うだけで充分です。
※冷凍梅を使う場合は、この手順は不要です

手順3.青梅のヘタを取る

青梅のくぼみ部分にあるヘタを取ります。竹串で縁をなぞるように、一つひとつ丁寧に傷つけないように取り除くのがポイント。この作業でエグ味がなく美味しい、琥珀色の梅酒になります。

取り残しがあると、梅酒を漬けた後に浮かんできて濾すなどの手間も発生するので、しっかり取り除いておきましょう。
※冷凍梅を使う場合は、この手順は不要です

手順4.容器に青梅と氷砂糖を入れる

しっかりと乾かした清潔な容器に、青梅と氷砂糖を交互に入れていきます(※冷凍梅を使う場合は、解凍せずにそのまま使います)。青梅を入れて、その上に優しく氷砂糖を重ねるという形を繰り返します。

手順5.ホワイトリカーを入れ保存する

青梅と氷砂糖を重ねて入れた容器にホワイトリカーを一気に注ぎ入れます。蓋をしてしっかりと密閉し、冷暗所で保存します。

手順6.氷砂糖が溶けるまでは容器を回して混ぜる

氷砂糖が溶けるまでは、容器中の糖分が均一になるように、1日1回、容器を開けずに優しく回して混ぜます。こうすることで、少しずつ砂糖が梅のエキスを抽出してくれます。

手順7.半年から1年くらいで飲み頃に

早くて6か月後くらいから飲み頃になるといわれます。梅酒は長期間漬けるほど深みが増すといわれますが、まずは半年くらいで味見したいですよね!半年したら一度ためしに飲んでみましょう♪

梅酒時間スタンプ(ぱちぱち)

自家製梅酒作りで注意したいポイント

自家製梅酒

自家製梅酒の失敗で多いのは、梅酒が濁ったり変色したり、カビが生えたりするという例。衛生面や法律などの観点から、以下のことに気を付けましょう。

アルコールは必ず20度以上のものを使う

梅酒のベース酒は初心者にはホワイトリカーがおすすめですが、慣れれば他のお酒にしてもOKです。
ただし、酒税法によってアルコール度数が20度未満のお酒で果実酒などを作ることは禁止されています。とくに日本酒やワインはアルコール度数が20度未満のものがほとんどなので注意が必要です。

また、よくあるアルコール度数が25度の焼酎などは、法律上は問題ないものの腐敗やカビなどのトラブルが発生することがあります。そのため、できればアルコール度数が35度以上のものが失敗のリスクが少なくなっておすすめ。ブランデー、ウイスキー、ウォッカ、ジンなどもいいですね。

◇梅酒はベース酒によって様々な味わいが楽しめます♪◇
種類が違えばこんなに違う!?ベースのお酒別梅酒基礎知識

不十分な水切りや梅の実の傷はカビの原因に

水気がしっかり切れていないとカビの原因となるので、容器はしっかり消毒し水気を拭き取ってから作りましょう。また、梅の実も表面がしっかり乾いてから漬けること。傷ついた梅の実を使わないようにするのも大切です。

傷のある梅は雑菌の繁殖の原因になりやすいのはもちろんですが、果肉が溶けだしてしまうことで梅酒の風味や色にも影響します。

冷蔵庫ではない冷暗所で保存する

冷暗所ということで、冷蔵庫で保存する人も多いようですが、温度が一定の場所や低温すぎる場所で保存すると梅酒が熟成しづらく、キレイな琥珀色にならないようです。

流しの下やコンロの下、床下収納など、家の中のできるだけ涼しい場所で熟成させましょう。

梅の実は1年くらい経ったら取り出す

梅酒は1年以上熟成させても美味しいですが、梅の実を取り出すのは1年くらいがベストといわれています(ホワイトリカーベースの場合)。長く漬けすぎると、渋味や苦味が出たり色が濁ったりするので、1年を目途に実を取り出したほうが、味や色、香りをいい状態で保てるといわれます。

取り出した梅の実は、料理やおやつなどに利用してみてくださいね。

まとめ

傷のない青梅と氷砂糖、35度以上のホワイトリカーという自家製梅酒の王道材料を選べば、初心者でも失敗が少なくて済みます。

さらに、水切りを徹底、冷蔵庫以外の冷暗所で保存する…などに気を付けるだけで、半年から1年後には美味しい梅酒がいつでも飲めるように。予備知識や準備を万全にして、6月になったら、初めての自家製梅酒にチャレンジしてみてくださいね。