今回は、旬の梅の実や冷凍梅をたっぷりと使った「梅ジャム」レシピ3つのほか、飲み物や料理・スイーツに梅ジャムをアレンジするおすすめ方法までご紹介します!
梅ジャムを作る準備ー梅の実・砂糖・保存瓶が必要!
お菓子作りに比べて、ことこと煮るだけのジャム作りは簡単です。
既製品のジャムの甘さが苦手に感じる方でも、自家製なら甘さの調節もできます。
はじめに、梅ジャムを作る際に必要なものとして、そのままの梅の実や冷凍梅が買える場所や時期、そして梅ジャム作りに欠かせない事前準備について解説していきます。
梅仕事に欠かせない、下ごしらえの方法も詳しく説明しているので、ぜひ参考にしてみてください。
【梅の購入方法】完熟梅の旬は6月!それ以外の時期は冷凍梅を楽しもう
梅ジャム作りに欠かせない、梅の実。
その梅の実の旬は6〜7月で、青い梅のまま収穫することもあれば、熟れて実が黄色くなってから収穫することもあります。
青い梅と黄色い梅のどちらでも、梅ジャムを作れます。
梅特有の酸っぱさのあるジャムを作りたい方は青梅を、透き通った綺麗な色のジャムを作りたい方は完熟梅を買うのがおすすめです。
どちらも6月上旬頃から、直売所や道の駅・スーパーなどの店頭に並びます。
また、オンラインでのお取り寄せも可能です。
「梅 1kg」と検索して、お好みの梅を見つけてみてください。
そして、梅のサイズは肉厚がある2L〜3Lサイズが作りやすいです。
小さくともLサイズ以上のものが良いでしょう。
参考:自分好みの梅酒作りにチャレンジ!基本の自家製梅酒の作り方
旬の時期以外に梅の実を手に入れたい場合には「冷凍梅」で検索しましょう。
冷凍ではない梅の実をたくさん買い過ぎた場合も、冷凍しておけば実が痛むのを避けられます。
●多めに買って、自宅で冷凍するのもおすすめ!
梅の実の量は、500gから1〜2kgあれば、ジャムを作ることができます。
実の量に応じて、その半量程度の砂糖も用意が必要です。
種と皮を除いた梅の実の60〜70%の量を用意しておけば安心です。
詳しくは、後述する梅ジャムレシピで解説しているので、そちらを読んで作ってみてください。
また、梅酒や梅干しには向かないといわれるキズありの梅も、ジャムにすれば大丈夫!
たくさん買って梅酒用と梅ジャムに使い分ける、という方法もあります。
【事前準備】梅ジャム用の瓶はアルコール、または煮沸消毒を行う
事前準備として欠かせないのが、ジャムが完成したときに入れる瓶類の消毒・殺菌です。
梅ジャムを長く安全に楽しむためにも、忘れずに煮沸消毒またはアルコール消毒をしておきましょう。
煮沸消毒をする場合は、鍋に瓶を入れて水を張り、沸騰してから10分ほど殺菌するようにしてください。
取り出す際は、やけどに気をつけて、菜箸などで取り出し、水気が切れるまで放置しましょう。
私は時短のため、食品用アルコールの「ドーバー パストリーゼ77」などを吹き付けて、しばらく瓶を伏せておくことが多いです。
【下ごしらえ】梅の実を洗う+軸取り+あく抜き+重さをはかる
梅ジャム作りは、梅の実の下準備から始めます。
優しく梅の実を洗って、軸を取り、綺麗に水気をふいたら重さをはかる、という一連の作業を先にしておくと、その後の作業がスムーズに進みます。
ここでは、下ごしらえのやり方を4つの手順に分けて解説します。
●手順1. 梅の実を洗う
まずは、おうちにある大きいサイズのボウルを2つ用意しましょう。
そして、片方に水を張り、梅の実をそのなかに入れて、優しく洗います。
青梅を使う場合は、2~3時間水に浸けてあく抜きを行うと良いでしょう。
黄色い梅の実の場合は必要ないので、さっと水で洗いましょう。
●手順2. 梅のおへそを竹串で取り除く
その後、水気を切ってから、一つ一つ爪楊枝などで、おへその黒い部分を取っていきます。梅の実の軸(なり口のホシ)は、「梅のおへそ」とも呼ばれます。
これを竹串などを使って取り除く作業は、梅仕事には欠かせません。
このとき、痛んだ部分があれば、切って取り除いておきましょう。
そして、軸を取ったときの付着物や水気をキッチンペーパーなどで優しく拭き取ります。
●手順3. 下ゆで後、梅の実をつぶして種と皮を取り除く
鍋にたっぷりと水を入れて、沸騰させます。
沸騰後、そこへ梅の実を入れ、やわらかくなるまで茹でたら、ざるにあげます。
手で触れる程度まで冷ましたら、清潔な手指で握ったり、ざるやマッシャーなどを使って、実と種を分けていきます。
皮がかたい場合は、ミキサーを使用するのもおすすめです。
●手順4. ジャムの材料となる梅の実の重さをはかっておく
種と皮を取り除いたらボウルに入れ、梅の実の重さをはかりましょう。
ジャム作りではたいてい果実の重さに対して砂糖の量を調整するので、この時点ではかっておくと、あとの作業がスムーズです。
梅ジャムの作り方3つー完熟梅や冷凍梅・梅酒の梅を使って
梅ジャムの作り方は、さまざまです。
ここからは、簡単に作れる梅ジャムの作り方として、普通の梅の実を使ったレシピや綺麗な色を残せるレシピのほか、冷凍梅や梅酒の梅を使ったレシピもご紹介します。
手に入りやすい梅の実で、ぜひお試しあれ!
また、下記の3つのレシピについては、砂糖の量を調整したり、梅の実を別の種類に変えることで、違った味わいになります。
ぜひお好みの味を探してみてください。
レシピ1. 基本の梅ジャム
一つ目は、普通の梅の実を使ったレシピです。
他の果物と同様で、梅ジャム作りも「グラニュー糖」を使って作ると、綺麗な色のジャムができあがります。
青梅でも作れますが、黄梅・完熟梅を使えば、より透き通った色のジャムとなるでしょう。
【材料】
- 梅の実(できれば完熟梅):1kg
- 砂糖(グラニュー糖がおすすめ):500〜600g
梅の実と砂糖を鍋に入れ、中火で煮つめます。
沸騰したら弱火にして、アクを取りましょう。
ときどき鍋の底から混ぜ、30分ほど経てば完成します。
熱いうちに瓶などに詰めましょう。
火を止めた時点では、ジャムのとろみが足りないように感じますが、冷めれば粘度が増すのでご安心ください。
レシピ2. 冷凍梅×炊飯器で作る梅ジャム&梅シロップ
二つ目は、冷凍梅を使ったレシピで、梅ジャムだけでなく梅シロップも作れます。
炊飯器を使うため、下ゆで要らずで、甘みには氷砂糖を使うのがおすすめです。
【材料】
- 冷凍してある梅の実:350g
- 砂糖(梅シロップ用):350g
- 砂糖(梅ジャム用):150g
冷凍してあった梅の実を、炊飯器に砂糖と一緒に入れます。
「保温」のスイッチを押して、6〜12時間待ちましょう。
途中確認してみて、水分量が充分でない場合は、竹串などで梅の実にプツプツと穴を開けてみてください。
梅の実から水分がたくさん出たら、梅シロップのできあがりです。
梅シロップと梅の実を分けて、実の重さをはかったら、今度はその半量の砂糖といっしょに鍋に入れます。
10〜15分ほど弱火で鍋を炊き、その間ゆっくりと混ぜれば、梅ジャムも完成です。
レシピ3. 自家製梅酒を飲み切った後に。残った梅の実で作る梅ジャム
三つ目は、梅酒を漬け込んだあとに残った梅を使っても、梅ジャムを作る方法です。
下ごしらえは漬け込む前に行っているため、軸取りやあく抜きは不要です。
その代わり、たっぷりの水を張った鍋に入れて弱火で5分ほど炊き、お湯を入れ替えて再度炊く…という、アルコールを飛ばすための手順が加わります。
これを行ったら、あとは残った梅の実の30%ほどの量の砂糖を加えて混ぜながら、弱火にかけるだけです。
加える砂糖の量は、浸けていた梅酒の糖度によって調整してみてください。
つやが出たらできあがりですが、お好みでレモン汁を加えたり、水分を増やしても◎。
※梅の種に含まれたアルコールが抜けないことがあるので、注意しましょう。
参考:梅酒を料理に使うと美味しい!余った原酒や梅の実活用レシピ
梅ジャムのアレンジ方法3つー飲み物・料理・スイーツにも合う!
梅ジャムを作りすぎた…という経験はありませんか?梅ジャムは、パンに塗って食べるのも美味しいですが、ゆず茶のようにお湯に溶かして飲んだり、ヨーグルトにのせて食べたりしても楽しめます。
実は、料理にも使えるんですよ。そうめんに添えて食べることも!
ここからは、作った梅ジャムのアレンジ方法として、3種類の食べ方をご紹介します。
アレンジ1. 梅ジャムが飲み物に変身!さらっと飲めるラッシー・サワー&カクテル
梅ジャムのアレンジ方法は、食べ物にかけるだけではありません。
すっきり楽しみたい時には、と混ぜれば「梅ジャムラッシー」のできあがり。
お酒として味わうなら、焼酎・炭酸水と混ぜた「梅酒サワー」や、ブランデーとあわせて「梅酒カクテル」としても楽しめます。
詳しいレシピは、下記をご覧ください。
●梅ジャムラッシーの作り方(はちみつ・ヨーグルト・氷水)
梅ジャムをコップに「大さじ2〜4」お好みで入れ、氷を4〜6個と牛乳をコップ1杯分注ぎます。
ジャムを溶かすようにスプーンでグルグル混ぜれば、完成です。
甘さとさっぱり感が美味しい梅ジャムラッシーは、子どもも大人も楽しめる味です。
牛乳をヨーグルトに変えたり、甘さが足りない場合はハチミツを足したりするのも、おすすめです。
●梅酒サワーの作り方(レモン汁・炭酸水・焼酎)
梅酒サワーを作るときには、大きめのグラスを用意しましょう。
グラスに梅ジャムを大さじ1、レモン汁小さじ1を入れたら、よく混ぜて溶かします。
そこへ、焼酎4・炭酸水6の割合で注ぎ、グラスに氷を入れたら、グラス一周分だけ混ぜます。
「甘過ぎるサワーが苦手」という方も、梅ジャムを使えば、ほど良い酸味が感じられるので、グイグイ飲んでしまうかもしれません。
焼酎をウイスキーに変えて、梅ジャムハイボールも美味しいですよ。
●梅ジャムウイスキー(お湯割り)の作り方
寒い時期には、お湯割りが飲みたくなるもの。
湯呑みなどに梅ジャムを大さじ1程度入れ、少量のお湯で溶かしましょう。
そこへ、大さじ2のブランデーまたはウイスキーを注ぎます。
さらに、ウイスキーの2〜3倍量のお湯も注いで、軽く混ぜれば完成です。
梅ジャムとお酒は同じ分量で、お湯の代わりに氷を適量入れれば、冷たい梅ジャムカクテルも作れます。
アレンジ2. ドレッシングに変身させて、かける!
次は、残った梅ジャムをドレッシングにリメイクする方法です。
材料は、梅ジャムが大さじ2、オリーブオイルが大さじ4、米酢または穀物酢が大さじ4、塩が小さじ1です。
これらの材料を分量どおりに混ぜれば、サラダやお肉料理ににかける「ドレッシング」のできあがりです。
ハーブ入りのミックスソルトを使ったり、酸味の少ないお酢を使って、味を変えながら楽しんでみてください。
少量ずつ作れるので、「ドレッシングの消費期限が過ぎてしまいがち…」という方にもおすすめです!
アレンジ3. メインの肉料理の隠し味に!
続いては、肉料理をご紹介します。
まず、ポリ袋などにお肉と梅ジャムと醤油をそれぞれ大さじ2ずつ入れたら、よくもみ込みます。
10〜30分ほど置いたら、予熱したフライパンやオーブンで焼けば完成です。
特に、豚肉または鶏もも肉と相性が良く、梅ジャムの甘みでお肉がやわらかくなります。
お好みで、料理酒大さじ1や、にんにく・生姜を足してみてください。
濃いめの味付けは、お弁当のおかずにも合うはずです。
とろみを付けたい方は、焼く前のお肉に薄力粉を軽くまぶしてください。
きのこ類や青じそとの相性も最高です!
アレンジ4. 食後に美味しい、梅ジャムシャーベット
最後は、梅ジャムを使ったシャーベットの作り方です。
小鍋に梅ジャム70gに対して、水を200ml注ぎます。
そこへ、砂糖大さじ2を加えたら、沸騰するまで火にかけます。
このとき、少し濃いめの味にしておくことがポイントです。
小鍋の中身が冷めたら、保存容器や袋に入れ替えて、冷凍庫で3〜4時間寝かせましょう。ときどきかき混ぜたり、凍り過ぎたら少し溶かしてまた冷凍庫に戻したりを繰り返すると、より滑らかなシャーベットになります。
砂糖の量を少なくして、シャーベットを食べるときに上から梅ジャムをかけても美味しいです。
まとめ
今回は、美味しい梅の実を使った梅ジャムレシピをご紹介しました。
6月が旬の完熟梅や、季節を問わず手に入れられる冷凍梅、そして自家製梅酒の残った梅の実を使って、ぜひ梅ジャム作りを楽しんでみてください。
おすすめは一度に多くの量を煮詰めて、アレンジして長く味わうことです。
ご紹介したレシピ以外にも、白玉団子やクラッカーなどお菓子に塗るのも美味しいですよ。